2006年07月27日

ルネ・マグリット「ピレネーの城」

La Chateau des PyreneesLa Chateau des Pyrenees

なぜだかはわからないが、題名はピレネーの城である。
ピレネーの城という言葉から、ふとザビエル城を想った。
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの生まれた城である。

ピレネー山脈はフランスとスペインを分ける山々である。
イエズス会を創ったイグナチウス・ロヨラもザビエルも、この山麓に古くから住むバスクの人だった。
バスク人は不思議な民族で、言語もヨーロッパのものとは異なり、その起源は謎とされる。
ヨーロッパ人にとってバスク語は、悪魔でさえ嫌がるほどの難しい言葉らしい。

ピレネーの山深くには、中世そのままの修道院が残る。
麓に点在するバスクの町は、おとぎ話の中にあるかのようなたたずまいである。
ピレネーそのものが近代社会という空間から離れ、異世界を浮遊しているともいえる。

ザビエルは、世界にキリスト教とヨーロッパの文化を伝えるために出発した。
万里の波濤をこえながら、ザビエルが城ごと日本にやってくるようなイメージを感じた。

「ピレネーの城」La Chateau des Pyrenees
ルネ・マグリット  Rene Magritte 1898-1967年,ベルギー


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2006年07月19日

マグリットの「誘惑者」

mg.jpeg
誘惑者

帆船に海が映り込んでいるのか。
あるいは空が帆船のかたちに切り抜かれて、そこに海の水が流れ込んでいるのかもしれない。
なんだか惑わされそうな絵である。

ステルス戦闘機の技術を思い出した。
ステルスのアイディアには強力な電磁波を発生させて光を曲げるものや、空の風景を機体に映し込んで実体を見えなくするというものがあった。
いずれにしても敵を惑わせるものである。

マグリットは自身を画家ではなく詩人であると言っていたらしい。
船のかたちに切り抜かれた空間の奥には別の世界の海がひろがっているのかもしれない。

ルネ・マグリット  Rene Magritte 1898-1967年,ベルギー
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2006年07月18日

ルネ・マグリット「光の帝国」

L'Empire des LumieresL'Empire des Lumieres

空をみると明るい昼間だが、地上は夜で屋敷には灯りがともっている。
この世界では、天と地と、それぞれ別の時間がながれているようだ。
陰陽の「太極図」を想わせる不思議な絵。

陽光を嫌う吸血鬼の屋敷かもしれないし、ただ夜の静けさと灯火の柔らかさを好む人の住処かもしれない。
たとえば江戸川乱歩は、少年の頃、昼間も暗い屋根裏部屋を好んだという。
作家となってからは、邸の敷地に「幻影城」なる土蔵を建てて閉じこもり、ちいさな灯をともして小説を書いたらしい。

「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」

乱歩のように夜を真実と思ってもいいし、逆に昼こそ真実だと思うのも自由だろう。
マグリットは、昼間の地の上に夜の空がひろがっている、この世界とは逆転した絵も描いている。

ルネ・マグリット  Rene Magritte 1898-1967年,ベルギー
posted by アートジョーカー at 13:20| Comment(0) | Rene Magritte | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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