2006年03月17日

ムンクには誰の叫びが聞こえたのか?

アートポスター SCREAMアートポスター

ムンクの父は、貧しい民たちの医者だった。
母と姉は、ムンクが幼少のころに病(やまい)でなくなった。
いつも、生への不安に絡みつかれていたムンクは、絵を描くことでしか救われなかったという。

ある日、フィヨルドの海に沿った道を、ムンクは友人たちと歩いていた。
そのとき、自然をつらぬく、終わりのない叫びが聞こえたという。
思わず立ち止まり、耳を塞いだ。
その叫びを聞くには、ある「感度」が必要だったのかもしれない。
ムンクの精神と、何ものかが共鳴したのかもしれない。
それが、世界中のひとびとの、苦悩、不安、怒り、孤独の叫びだったとしたら、しかも時代を超えて聞こえてくるものだったとしたら、これほどおそろしいことはない。

エドヴァルド・ムンク「叫び」1893年

posted by アートジョーカー at 07:00| Comment(0) | Edvard Munch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月16日

ムンクの思春期とは?

ムンクの「マドンナ」にも衝撃を受けたが、これもある種、艶のある絵だと思う。
ムンクの画家としての一貫したテーマを「生への不安」とするなら、
この絵のサブテーマは「性への不安」ということかもしない。

「わたしは誰からも傷つけられやしないわ」

変わりゆく自分に戸惑い、こころに棘ができたのか、目に強い光が宿る。
思春期という妖怪じみた季節を、特有のタッチで描ききった傑作だと思う。

背後には、のちに「叫び」などで表現されるようなうねり、それも黒いうねりがみてとれる。
ムンクの得体の知れない「目」が、少女の背後にある、他人には見えないなにかを捉えたに違いない。

ムンク『思春期』 1894年頃

ムンク「思春期」P10号【名画ドットネット】
posted by アートジョーカー at 06:58| Comment(0) | Edvard Munch | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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