移りゆく、そのときどきの印象を描くから、モチーフはたったひとつであってもいい。
たとえば「睡蓮」。モネは200点以上の「睡蓮」描いている。
他のひとにはひとつのモチーフであっても、
モネにとっては、いくら描いても描ききれない、ゆたかな画題となった。
季節、天気、あるいは一日の時間の流れのなかで、ゆっくりと表情を変える「睡蓮」のある光景。
モネには、このうえなくたのしく、感動の深いものだったにちがいない。
光の幻術のように変化する画面。
100年の時空を超えて、ヨーロッパの光があふれだしてきそうである。





