2006年03月12日

「記憶の固執」もう一人のダリ

あなたの中に潜む、もう一人のあなた。
その、もう一人のじぶんは巨大な欲望や不安を抱いている。
欲望も不安も、いつも出口を求めて心の底で叫び続けている。
ダリは若い頃、フロイトの理論にハマったといわれる。
ダリの脳裏にときどき映る、わけのわからないイメージの正体をあばくのに、うってつけの理論だったのかもしれない。

ダリの有名な柔らかい時計だが、なぜ人はこの絵に惹かれるのか。

誰が訳したのか知らないが、邦題は「記憶の固執」。
柔らかい時計は、人間の記憶というか、心そのもので、そこに蟻がたかってくる。
つまりは、腐臭を放っているのかもしれない。
しかもその記憶は、無愛想に機械的に、容赦なく過ぎていく時間に噛みつかれ飲み込まれていくしかない。
この時計のイメージが、人の心の一番柔らかい部分を、容赦なく「触ってくる」のかもしれない。

The Persistence of Memory, 1931


The Persistence of Memory, 1931
posted by アートジョーカー at 05:01| Comment(0) | Salvador Dali | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする