

Pablo Picasso,Portrait of Dora Maar
5月の2〜3日に行われたサザビーズのオークションで、ピカソの「ドラ・マールと猫」(1941年)が約108億円で落札されたようだ。
ドラ・マールはピカソの助手をつとめた女性で愛人でもあった。ピカソがドラ・マールと男女の関係になったとき、もうひとりの女性マリー・テレーズ・ワルテルは妊娠中だったらしい。ピカソが50代半ば頃の話。
ドラ・マールはピカソの写真をたくさん撮っている。ピカソはドラ・マールの肖像をたくさん描いている。もっとも有名なのは「泣く女」だろう。
ドラ・マールは「泣く女」のモデルだった。キュビズムの極致のような作品で、女の悲しみが爆発したような凄まじいエネルギーを発散する絵である。
残念ながら「ドラ・マールと猫」「泣く女」の写真が提供元にない。
上のふたつの絵もピカソによるドラ・マールの肖像画。
左は1937年頃の作品で、横を向いた彼女と正面を向いた彼女が同時に描かれている。ちょっとすました感じで、可愛らしい雰囲気。右の方は茫洋としてせつなげで、どこかローランサン風でもある。