20歳やそこらで、こういう絵を描く。
いや描けてしまうピカソとは、いったい何者なんだと問いたい。
こんな母子像を、かつて見たことがない。
青い世界のなかで、母子が交じりあい、溶けあっている。ひとつのまあるい線になっている。母親にとって子がすべてであり、子を抱きしめ命の火を与えるとき、じぶんさえも暖まる。
色調は寒い。が、ともに焼けゆくような暖かさ、しびれるようなぬくもりがある。
ピカソは、20世紀初めのパリの裏町で、至上の愛を見た。
天賦の才を使って極上の絵にした。ある種の魔法のようなものだと思う。

Mother and Child-1901
The Art Impression
