2006年02月27日

ピカソは時間をずらす

女が一枚の絵の中で同時に複数のポーズを。

ピカソが友人ブラックとともに始めたキュビズムという表現手法についte
は、一気に書ききれない。少しずつ書きます。
これには、分析的キュビズムとか総合的キュビズムとか、いろいろややこしい理論的展開があるし、知識として理解しても、ピカソは永遠にわからないと感じるのだが。

たとえば、ひとりの女がなにやらものを書いている。
いそいそと、楽しみながら、はたまた考えながら、悩みながら。
よそ見をする。背伸びをする。あくびをする。
かわいらしい女の動きを一枚の絵画のなかにぜんぶ閉じこめるとき、キュビズムという手法が活きてくる。
この絵は、正確にはキュビズムの時代をとっくに卒業していた50代のころに描かれたものであるが。

アートポスター WRITING WOMAN
Writing Woman-1934


posted by アートジョーカー at 15:30| Comment(0) | Pablo Picasso1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピカソは、パッと変わる

青の時代は短い。

1904年、青年ピカソはモンマルトルの丘にある、バトー・ラヴォワール(洗濯船)という名の共同住宅を借りてアトリエとする。
ここでの生活を通して、オリヴィエと出逢い、恋をした。
詩人のアポリネールと語りあい、精神を磨いた。

ピカソは、パッと変わる。描く母子像も変わった。
いわゆる「薔薇色の時代」の作品である。
ぼちぼちであるが、絵も売れはじめたという。
このころ描いた「パイプを持つ少年」が、
2004年のサザビーズオークションで絵画史上最高値をつけた。
落札価格は、約113億円だった。
Picasso

Picasso

Picasso, Pablo
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posted by アートジョーカー at 01:01| Comment(0) | Pablo Picasso1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月25日

ピカソ、女の背中がいい

なんてセクシーな背中なんだろう?
絵の中から、いまにも、聞こえて来そうだ。孤独な女の囁く声が。
秋の日のヴィオロンの溜め息のように、ひたぶらにうらがなしい声が。

青い。寒い。これも、パリの下町のひとたちを描き続けた「青の時代」の絵である。
ピカソは、故郷から、ともにパリに出てきた友人の死を経験した。
悲しみをプルシャン・ブルーに込め、「青の時代」を描ききった。
若くして、独創の領域へと到達した。
プルシャン・ブルーは、暗く、紫をおびた青である。ピカソの心象風景と合致した。
過去、葛飾北斎やゴッホも、背景の空にこの色を使った。
描くひとの心によって、いかようにも作り出せる色彩のイマージュ。
変幻自在の魔力を秘めた、精神の色だと感じる。

Blue Nude

Blue Nude
Picasso, Pablo
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posted by アートジョーカー at 23:34| Comment(0) | Pablo Picasso1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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