2006年11月24日

エッシャー「上昇と下降」

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Ascending and Descending


建物の屋上に回廊がある。
外側を右回りに移動する人たちは、永遠に上昇を繰り返している。
内側を左回りに移動する人たちは、永遠に下降を繰り返している。
死後の世界に存在するかのような不気味な無限回廊のようである。
ここに迷い込んだ人たちは、永遠に歩き続けなければならないようだ。

エッシャーは「ペンローズの階段」をもとに、この絵を描いたらしい。
サー・ロジャー・ペンローズはオックスフォード大教授で、「アインシュタインメダル」を受賞した世界的な数学者・物理学者である。
人を食ったような、ありえそうでありえない図形を遊びとして考案した。

ペンローズ教授はケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング教授と共同で「特異点定理」を発表している。アインシュタインの一般相対性理論による時空構造には、特異点が存在することを証明したという。
たとえばビッグバン宇宙論を考えるとき、宇宙の始まりである特異点の問題が出てくる。
特異点は、大きさはないが密度は無限大らしい。しかもそこでは、すべての物理法則が崩壊するという高度に数学的な訳の分からない世界である。

宇宙の始まりを考えることは、エッシャーの無限回廊を歩き続けるようなものかもしれない。

「上昇と下降」 Ascending and Descending 1960年
マウリッツ・コルネリス・エッシャー Maurits Cornelis Escher
1898-1972,オランダ
posted by アートジョーカー at 07:07| Comment(0) | M.C. Escher | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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