
眠れないときは羊を数えなさいといわれる。
余計なことは考えないで、単純な作業を続ければ眠くなるという心理学的な効果があるのかもしれないが、もともとは英語のsleep(眠り)と、sheep(羊)の語呂合わせから生まれた言い伝えだといわれる。
ひつじ、と数える日本人には関係がない。
しかし、羊のいる風景は、のんびりとした優しい感じで、牧歌的な趣のなかで安らぐイメージがある。
まどろむ、という言葉がある。
目蕩む、あるいは微睡むと書く。
深く、長く眠りこけてしまえば意識不明だが、まどろむのは意識が彷徨うようで気持ちいい。
空間と溶けあうような心地よさがある。
羊の睡眠時間は短いらしい。1日30分ほどではないかといわれる。
人間から見ると、まどろむだけの時間だが、実際のところ、どのような眠りなのかは知らない。
羊はダ・ヴィンチのような優秀なショートスリーパーなのかもしれない。
あるいは自然と溶けあうように、ひがな一日、眠るように暮らしているから「睡眠」は少なくてもいいのかもしれない。
フランツ・マルクは「動物の知覚を想い描く」ことをめざしたという。
Sheep
フランツ・マルク Franz Marc
1880-1916年,ドイツ
The Art Impression
