2006年05月27日

中華屋のゴッホ

Cypress TreesCypress Trees

出先で腹が減ったので、中華屋に入った。
初老の夫婦がやっている小さな中華屋だった。
メニューに本格中華はなく、ラーメン屋に毛の生えたよう店で、客は近所の労働者か学生風である。
そこに、なぜかゴッホがあった。もちろん複製画で、油にまみれて黒くなっていた。
そこでは、漫画本も週刊誌も壁もゴッホも、みんな油でべっとりとしていた。

その中華屋に、なぜゴッホが存在していたのかはわからない。店主が好きで掛けているのなら面白い。しかし、誰かからの的の外れた贈り物だったのかもしれない。

おそらく誰も見てはいないだろうが、ゴッホはゴッホである。
ゴッホ本人は、どこにでも飾って楽しんでもらいたはずである。
別にゴッホが豪邸や、金をふんだんにかけた地方自治体の美術館に似合うとも思わない。
だが、中華屋のインテリアとしてのゴッホは、猛烈な不協和音を発していた。
人間社会と、うまく和音が奏でられなかった、ゴッホの生涯をふと想った。


posted by アートジョーカー at 16:18| Comment(0) | Vincent van Gogh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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