2006年03月18日

レースを編む女の物質密度

禅の世界に「石を見て笑え」ということばがあるらしい。
なんのことだか、よくはわからない。
任意の、そのへんの石ころを題材にしたとしても、優れた哲学者なら宇宙を想うことができるだろうし、文学者なら珠玉のエッセイを書いてしまうかもしれない。

「私は天使を描かない」といったのはクールベだが、フェルメールは17世紀オランダの、ふつうの生活を描いた。女がレースを編むことは、日常のごくありふれた風景だったのだろう。
だがそこから、のちにルノワールをして「世界で最も美しい絵画のひとつ」といわしめた傑作がうまれた。

本の表紙ぐらいの小さな絵だが、物質としての密度が異常に高く感じる。
計算された構図とか、作者の企みや、寓意とかどうでもいいが、女はレースを編むことに集中し、いつしかその作業は「自動化」しているはず。レースを編みながら、女は「何を想うのか」を考えるのが面白いと思う。

フェルメール「レースを編む女」原画同寸大【名画ドットネット】



posted by アートジョーカー at 06:57| Comment(0) | Johannes Vermeer | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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