
マルクの作品に「世界を前にする犬」という傑作がある。
残念ながら個人所有のため画像がない。
マルクの愛犬ルッシが、地上の景色を見ている。その後ろ姿を描いた絵である。
これは、その馬バージョンのような感じ。
人間の目が世界を「客観視」しているわけではないだろう。
馬には馬の色彩世界があるのだろうし、鳥は人間が捉えることのできない極彩色の世界を感知しているのかもしれない。
犬は人間とは違うものを気にして景色を観ているだろうし、馬の目は横についているので実際のところ何をどう見ているかなどわからない。たとえCGでその世界を再現してみたところで、そのCGを観るのは結局人間の目なのである。
同じ動物としての根っこの部分で、自然を感じてみるのがいいのかもしれない。
Pferd in Landschaft
フランツ・マルク Franz Marc
1880-1916年,ドイツ