昼寝(シエスタ)
昼寝ほど気持ちのいいものはない。
青い空があって、いい匂いのする藁があって、二人でひととき眠る。
人生いろいろあるだろうけどみんな忘れる。
幸せは長ったらしいものではなく、ほんの短い時間のなかにあるのかもしれない。
ゴッホは他人の幸せそうな風景をみて何を想ったのか。
ゴッホは生涯孤独から解放されることはなかったという。
孤独は短い人生のなかでどんどん深まっていった。
しまいには、精神の発作に襲われるほどになった。
ゴッホにほんのちいさな幸せでもあれば、もしかすると絵など描かなかったのかもしれない。
描かずにすんだのかもしれない。
「僕は音楽のようになにか慰めになるものを語りたい。男や女を永遠性を込めて描きたい」
のちにゴッホはそのようなことを書き記している。
フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent van Gogh 1853-1890年,オランダ