2006年02月28日

夜がうねって「星月夜」

ゴッホの絵には、周囲の空間をゆがめてしまうような迫力がある。
熱い空気を発散する、画面そのものが厚い。
たっぷりと量を使った原色の絵の具が、キャンバス上に勢いよく噴出しているようだ。
いま出来上がったかのような新しさを感じる。
ゴッホは、絵の具に感情を乗せたといわれる。それはどのような感情だったのか?
俗に言われる。世に受け入れられない鬱憤。生活の貧しさ。激しい恋の苦しさ。
果たして、そういうものがゴッホの絵に表現されているのだろうか?

宇宙の実相は、回転するエネルギーの塊である。物質と空間に境界はない。
天空の星々は燃え上がってギラギラしたエネルギーを噴出し、互いに引きあい、干渉しあい、うねりながら回転している。
ゴッホの目に映った実相の世界。
星月夜。私が想う、ゴッホの最高傑作のひとつ。

The Starry Night, 1889



The Starry Night, 1889
van Gogh, Vincent
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posted by アートジョーカー at 10:56| Comment(0) | Vincent van Gogh | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月27日

ピカソは時間をずらす

女が一枚の絵の中で同時に複数のポーズを。

ピカソが友人ブラックとともに始めたキュビズムという表現手法についte
は、一気に書ききれない。少しずつ書きます。
これには、分析的キュビズムとか総合的キュビズムとか、いろいろややこしい理論的展開があるし、知識として理解しても、ピカソは永遠にわからないと感じるのだが。

たとえば、ひとりの女がなにやらものを書いている。
いそいそと、楽しみながら、はたまた考えながら、悩みながら。
よそ見をする。背伸びをする。あくびをする。
かわいらしい女の動きを一枚の絵画のなかにぜんぶ閉じこめるとき、キュビズムという手法が活きてくる。
この絵は、正確にはキュビズムの時代をとっくに卒業していた50代のころに描かれたものであるが。

アートポスター WRITING WOMAN
Writing Woman-1934
posted by アートジョーカー at 15:30| Comment(0) | Pablo Picasso1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピカソは、パッと変わる

青の時代は短い。

1904年、青年ピカソはモンマルトルの丘にある、バトー・ラヴォワール(洗濯船)という名の共同住宅を借りてアトリエとする。
ここでの生活を通して、オリヴィエと出逢い、恋をした。
詩人のアポリネールと語りあい、精神を磨いた。

ピカソは、パッと変わる。描く母子像も変わった。
いわゆる「薔薇色の時代」の作品である。
ぼちぼちであるが、絵も売れはじめたという。
このころ描いた「パイプを持つ少年」が、
2004年のサザビーズオークションで絵画史上最高値をつけた。
落札価格は、約113億円だった。
Picasso

Picasso

Picasso, Pablo
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posted by アートジョーカー at 01:01| Comment(0) | Pablo Picasso1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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